チャーリーのほほんブログ

ブロガリからお引越、ぼちぼち、やってます。&チャーリー高橋ですがワタクシ女性です、男性のチャーリー高橋さんではありません。

事件でした…(深刻)

ウチの家は鍛冶屋さん

1階が工場
2階が伯父(故)の家(今は伯母が一人住んでいる)
3階が我が家

不況の折

金槌を作っている
小さな工場は
1年の殆どが

休業中状態

ここ半年は金槌鍛冶の仕事はご無沙汰だった

そんな中
少ない売れ筋商品の在庫が切れたので

久しぶりの鍛冶屋開店でした

74歳と64歳
高齢コンビ

ここ1週間仕事を続けていたが
体力の低下が著しい

特に叔父は64歳だが最近体重が落ち

「力がない」

親父がボヤいていた


とはいえ親父も疲れが溜まっていたようで

しんどそうだった

今日は午前中叔父が来なかったので
午後は早めに切り上げると
言っていたはずなのに
14時過ぎから

槌打つ響き

3階まで響いてきた

叔父が14時に来て
何も言わず石炭コークスを
いこし(火を付ける)出したらしい

仕方なしに親父も仕事をし始めたのだ

15時私は鶴橋へ仕事に出かけ

スーパーに立ち寄り戻ったのは17時
戻ってきた際工場の父に

「戻ってきたよ」と声かけた

父は入り口近くの機械の前でくたびれた顔で座っていた

「もう上がってくるの?」

そう問いかけると

「うん」と答える父

反応がうすい

後から考えるとそうだったのだが

ここんところお疲れ気味だったので
疲れているんだなぁと
そう思ったんだ

見ると奥の石炭コークスの前で
叔父はくたびれて眠っている


とにかく
親父にうまいもん作ってあげようと
鯛のアラをゴボウと炊く

炊き終わったのが17時半過ぎ

戻らない父に不安を覚え

胸騒ぎで階段を駆け下りる

17時にみたままの姿で座り続けてる

「もう仕事終わったんでしょ?」

「うん、上がろうと思うねんけど」という

その疲れた顔にすぐ疑問を持たなかった私がバカか?

いや

私自身も既にヤバかったのかも知れない

話しながらやけに身体が傾く父

それにしても眠り続けたままの叔父も変

「起こしてくるわな」と父に言ってから

「おっちゃ~ん」と声をかけるも

無反応

???

「おっちゃ~ん」肩をたたくも無反応

頬をはたくも
腕を叩くも
うんともすんともだ

息はしている

でもよく見ると
開けっ放しだったのか
舌がカラッカラ

これはいけない

とにかく意識はない

救急車呼ばなきゃ!!!

でも何番にかければいいんだ?

私も頭が回らなかったのだ

「救急車って110番?119番?」

うつろな親父に聞く

蚊の鳴くような小さな声で

「119番」と親父が答えてくれたので

ダイヤルできた

そこからはやっと冷静さを少し取り戻し
この状況を把握出来たのだと思う

電話を切ると2階に住む伯母の元へ駆け上がり
状況を説明、
叔父の嫁さんを電話で来るようにお願いする

タオルに水を含ませ
叔父の口にやる

突如口がパクッと閉まり
私の指ごと閉じられてしまった
その動作で呼吸が止まり
あわてて大声で声をかけながら
口を開かせるも
呼吸が止まったまま…
声をかけながら
心臓をトントン叩き
腹部を押すと呼吸しだした

そうこうしてる内、救急車到着

一酸化炭素中毒だと
そこでやっと気がつく

救命士さんに叔父を託し
父の元へ行くと
やっぱり動けない父

救命士さんがもう1台救急車を呼んでくれ
先に叔父を乗せた救急車が奥さんとともに
近くの救急病院へ

身体のデカイ父を救命士さん達が工場から
引きずり出してくれ

次の救急車を待つも
工場のコークスは燃えたまま

ふいご代わりのコンプレッサーも動いたまま

父と叔父以外消し方を知らないのだ

意識はハッキリしてるものの
言葉が出てこない父にガスの止め方は何とかわかったものの
コンプレッサーは止まらず

とりあえずブレーカーを落として消したものの

コークスは燃えたままだったのだ。

父を乗せる救急車が来た頃
交番の警官が到着
事情のわかる人間がいないといけないので
私が残り、父の付き添いを伯母お願いする

同じ救急病院へ搬送は無理だったらしく
父は一つ向こうの区の病院へ

警察署から刑事さんもやってくるわ
大阪ガスの人も来るわ

実況見分から

事情聴取と

合間に兄・姉・親類に連絡

バタバタが終わり頃に弟が帰宅した。

後から知ったのだが
2階の伯母の台所に設置されていたガス警報装置が
17時半頃から鳴り出したのだそうだ

それをガス会社に通報してくれたらしく
大阪ガスさんが来てくれたのだった

工場にはガス釜もあり
それが原因か?

そういう事すらも判らなかったのだが

原因は石炭コークスで
工場には大型の換気扇がちゃんと付いているんだけれど
立て直したとはいえ如何せん築30年の工場

大型換気扇内に長年のススが溜まってか
動かす度ガラガラご近所にうるさいだろうと
止めてた…

窓は工場にある2つとも開け放たれていたものの
入り口は少しだけ開いてるだけ
裏口をいつもなら開けていたのに
この日に限って締め切っていたのだ

悪条件が重なって工場内は一酸化炭素が充満

工場の一酸化炭素は鉄筋をつたい
2階と3階の住居へも流れ込んでいたのだ

来てくれた大阪ガスのおかげで
住居の部屋の一酸化炭素レベルを計ってもらえ
閉め切った窓を開放し
ガスの濃度が下がったのを確認してもらえ
事なきを得た

兄夫婦が父の病院へ
姉夫婦が叔父の病院へ

警察の事情聴取が済み
大阪ガスがすべて点検を終え
帰ったのが21時

そこから弟が病院へ

叔父の病院へ行ってくれた姉夫婦が
「今日は薬で眠らせた」と医師から言われ
奥さんを連れ帰って戻ってきて

ついで弟が叔父の病院へ来てくれてた
親戚の叔母を近くの駅まで送ってから帰宅

兄夫婦は明日退院出来るという父を見た後
叔父の病院へ立ち寄ってから2階の伯母を連れ帰宅

時間は22時をまわっていた

早い食事を済ませていた2階伯母以外
みんな夕食はまだだった

ウチに帰ってから食べるという兄姉夫婦を見送って
22時半食事をするも
味がわからなかった

父に美味しいものを食べさせようって作っていたのに。

叔父の意識のない倒れている姿と
父のうつろな笑顔が

浮かんでは消え

とにかく横になり
うとうと

2時に目が冴えてきたので本を読み
またうとうと

6時に目が覚めた時はもう眠れず
朝風呂に入り、気を落ち着かせた

弟と軽い朝食を済ませると

私は父の退院準備を

弟は
「何かあれば連絡を」と出勤した。

そういえば伯母も2階に充満した一酸化炭素
結構吸っていたのかも知れないと

近所の病院へ血液検査だけでもしてくるようにと
お願いしてから出かける。

気が張ってたんだね

市バスを乗り損なったのでタクシーで病院へ向かう途中
身体の具合の悪い事に気がつく

そういえば昨日のコークスのススを吸った味が
喉をザラつかせたまんまだ

頭の中がボワーンとしていて

意外と元気そうな父の顔を見ると
ホッとして

自分の状況を説明
受診する事に。

大きな病院だから
初診となると2時間は待たされた…

動脈から採血しないといけないとかで
脚の付け根から!採血されるも
しばらくして一部血液が凝固したとか言われ
今度は腕から採血を受けた(涙)
ススを吸った話しをすると
肺のレントゲンも撮られたり
検査が終わると
13時半

とりあえず軽度の一酸化炭素中毒ということで
まれに何週間か後に倒れる事があるらしいが
殆どの人は無いって事らしいので

・・・・大丈夫だろう

何かあった時MRIを撮るようにって

何かあったらどうすんだ(泣)

「何かあったらなんですから
 禁酒にさせておいた方がいいですか?」
と医者に聞くと

「そういう理由で
 呑ませないのはいいかも(笑)」
とお医者さん

安静にするのが一番だし

私もそうするっぺ。

問題は叔父だが

連絡はないし…

とにかく面会時間は15時からということなので
自転車でGO。(元気はない)

最悪の事を考えつつ
病室へ

ICUだし
昨日の意識のない叔父の顔を見たのが最後だったし

緊張して病室に入ると

目を開けた叔父が!!!

「おっちゃん起きてんのん!」

「チャーリーさん!(実際は本名)」

「え~~~~~!!!
 おっちゃん、しゃべれるやん!!!」

「いや~、昨日仕事終わって帰って
 晩飯食べて寝たとおもっててん」

と叔父

「なんでこんなトコに居るか分かれへんかってん」

「えええええ~~!」

「なんとか中毒やってんてな」

・・・・・・・・・・・・・

この人は元気や~~~。

そこから事情を説明
叔父はコークスがあったところを掃除していた事だけは
覚えていたという

そっから意識無くなったんやね

あの状況から
今日の元気なあの姿は
思いもよらなかった

なんて生き運のあるおっちゃんなんやろう

安堵した。

警察にもその連絡はついたようで
退院した父の元に事情聴取に来た刑事さんが
「ややこしいことにならんでよかった」と
帰って行ったそうだ

しかし

長い長い2日間であった

昼過ぎ仕事先から姉が

夕方これまた兄が

父の元気な姿を見に来てくれた

今晩、父は昨日の鯛のあら炊きを美味しく食べていた

美味しいって味がする


生きているってすばらしいね。