みよちゃんからのお誘いで
ミナミに呑みに行くことに。
しかも
お互い行った事もない
店の名前が
ただ、みよちゃんが好きな
作家さんが書いている本の名前と同じ
ただそれだけの
理由だったのだが
ネットで調べるとクーポンも出るようだったので
プリントアウトしてＧＯ～！
店の名前とは全く関係ないジャズの流れる店内であった。
料理はどれも美味しかった
二人して料理の話に没頭
みよちゃんは伯母さんの小料理屋で板前修行中だし
私は料理好き
出されたメニューにあれこれ
調理方法や味付け等々
二人して議論しつつ
最後には
みよちゃんのお父さんの包丁使いの話に及んだ
みよちゃんのお父さんは
昔、いい料亭で板前さんをしていたそうだ
今は魚屋さんで
腕をふるっているのだが
何年か前に脳梗塞を起こし
その腕はもう
見られないのだとか
みよちゃんのお父さんが
そんないい板前さんだったとは知らず
ちょっとみよちゃんチに遊びに行った際
たった一度だけ、だったのだのだが
お父さんの手先を見せて貰った
（ええ、盗み見だったのだけれど）
あんなに綺麗な
魚の造りを切っているのを見たのは
初めてだった
（その後も見ていない）
美しく
刺身包丁の端から端
綺麗に使って
切ったのだった
食べた覚えもある
それは
とても
切り口の尖った
美しい味がしたのでした
ただ
一度だけ
みよちゃんのお父さんの手元を見る機会を与えて貰えた
今でもあの手先の美しさ
覚えてる
いつか
あの手先のように
誰かに刺身を切り分け
食べさせたいものだ
何年先？？？？？？？？？？？？？？？
